諸寺における賓頭盧尊者の像様は実に様々です。そこでこの度は思い切って全くのオリジナル作品にすることにしました。桂材の寄せ木作りです。
禅宗や真言宗など、多くのお寺の片隅に安置されている「お賓頭盧様」は庶民の人気者で、朱色に仕上げられていることが多いようです。人々は体の具合の悪いところがあると、この賓頭盧尊者の同じ部分を撫でることで治癒を祈願しました。賓頭盧尊者は釈尊のお弟子でありながら、酒好きで、また神通力の使いすぎで釈尊に叱られ、悟ることを許されず、永久に衆生を救い続けなければならないという法罰を与えられたとのことです。
まつられている本堂の片隅に、あるいは外縁側にあって直接風を受けるような場所に安置されているのはそんな訳があったのです。非常に有能な力を持っておられたが故にうっかり慢心して調子に乗ってしまったという感じにもうけとめられますが、釈尊が賓頭盧尊者の能力をしっかり見抜いた上で、指示されたのではないでしょうか。
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