今やっていること

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属します。無断転載等の行為は堅くお断り致します。
 

仏像制作日記です
 
 この部屋は私の仏像制作作業日記です。現在取り組ん
 
でいる仏像・仏画の進行具合や、作品のアイデアをつづっ
 
たり、また、単に普通の日常生活の日記としても使ったりし
 
たいと思います。
 
 
 このページに記載されている文や写真資料に関するご質 
問やご意見は、彫刻掲示板に書き込んでください。 
 
NEW ほのぼの誕生仏 作成日記 12

No.12 ほのぼの誕生仏 作成日記 06年07月13日
ほのぼの誕生仏 ほのぼのシリーズ  ほのぼの誕生仏の制作過程です。  
       2方向回し挽き         大きさ 約7p
  私の彫刻教室では、有名な東大寺の誕生仏の模刻をカリキュラムに 
  取り入れ、裸体の基本を会員さんにマスターしてもらっています。
  今回は腰回りの裳(も)を取り去り、全身裸体にしました。  
  可愛らしさを出すために、足の部分を思い切ってデフォルメしてあります。
  前回の南無仏太子と同様、お口を大きく開け、『天上天下唯我独尊』
  とおっしゃったドラマチックな雰囲気も出そうとしました。
  また、今回は彩色をする予定です。 
ほのぼの誕生仏
  斜め4方向から落とします。
  お顔は彫り出さず、
  あっさりと線彫りで表現する予定です。
  「もみあげ」はなるべく短くしましょう。
  「おちんちん」も今回は作ってみましょう(笑)。
ほのぼの誕生仏
  腕を細めています。
  特に上げ手の角度に注意。
  正面から見ても、側面から見ても「く」の字形になるように曲げます。
  それに比べ、下げ手の方は緩やかな曲げにしましょう。

  手は人差し指を一本立てて、天と地を指さしていますが、
  あとの指は握っています。あまり詳しく彫り出さず、
  ドラえもんが、一差し指を一本だけ立てたような手に表現します。

  お尻や背中も彫り込みます。
  全体的にお顔も大き目にデフォルメして可愛らしさを強調してあります。
ほのぼの誕生仏
  白毫を嵌め、口と目や眉を薬研彫りしました。
  上げ手の手首の黒い線は、樹のシミです。
  今回は上から彩色をしますので、脱色で消す作業は行いません。
  
  あっさりとした蓮華台と丸く薄い框を作って完成です。
  

               完成像(彩色)
       
No.11 薬師如来 作成日記 06年07月13日
白檀 薬師如来                                
白檀 薬師如来の制作過程です。    大きさ 座の3寸5分(7寸仏)
 
  材料の関係で本体と膝・上げ手を寄せ木にしてあります。
  近頃、良質の老山白檀が少なくなってきたとのこと。材料費も高くつきます。  
  下げ手は大掴みに彫り出した後、本体と分離し、
  再度付け直してみようかな?
  薬壺は手と一緒に彫りだし、蓋の部分だけ貼り足す計画です。
     
白檀 薬師如来                                
角を丸めた粗彫り段階です    
 
  座像の場合、股関節(太股の付け根)の辺りが膨らんでしまわぬように、
  思い切って削り取るのが私は好きです。
  下げ手はこの後、回し挽き鋸で切り離します。
  白檀は硬くて刀が滑りやすいので、ケガをしないように十分注意をします。
  裳裾は今回についてはあまり長くせり出さない形にしました。
  
白檀薬師如来                                
完成です    
 
  
  下げ手を作ってから再度取り付けます。
  薬壺の蓋は別材で作って貼り付けました。
  白毫と肉髻朱も取り付けます。
  

No.10 賓頭盧尊者 作成日記 06年03月18日
賓頭盧尊者                                
賓頭盧(ビンズル)尊者の制作過程です、   大きさ 約30p
 
  粗彫り

  禅宗や真言宗など、多くのお寺に安置されている「お賓頭盧様」は
  庶民の人気者で、朱色に仕上げられていることが多いようです。
  人々は体の具合の悪いところがあると、この賓頭盧尊者の同じ
  部分を撫でることで治癒を祈願しました。

  今回は桂の木の寄せ木作り、白木仕上げにします。
  両手は後で足します。
   
  お顔やお姿に付いては、様々ですから、私の思い描いたイメージ
  で作ることにします。
賓頭盧尊者                                
2 賓頭盧(ビンズル)尊者の制作過程です、   大きさ 約30p
 
  中仕上げ

  
  お顔や膝等を中心に、少し彫り進めたところです。
賓頭盧尊者                                
賓頭盧(ビンズル)尊者の完成です、   大きさ 約30p
 
   両腕を別木で作り、取り付けました。
  
   近日中に、仏像のページにもUPする予定です。

        完成像は こちら(仏像彫刻のページ)

No.9 ほのぼの南無仏太子 作成日記 05年09月07日
NO7 の南無仏太子像完成をご縁にして、          大きさ 9p
  ほのぼのシリーズにも 「南無仏太子」を加えることにしました。
 
  手にすっぽり入る小さな小さな南無仏太子です。
  この企画は肩肘を張らずに、可愛らしく単純な像を彫ることにそのテーマが
  ありますから、
  今回もお顔を描き込むことにしました。

  しかし、「南無阿弥陀仏・・・なむ・・なむ・・」と
  2歳の聖徳太子が称えられた瞬間をドラマチックにとらえるために、
  口だけは、軽く彫り込むことにしたいと思います。

  構図は NO7 の像と全く同じですが、袴の裾を踏み込まない姿にしました。
  正面と側面のデッサンをしたあと、
  糸鋸を用いて、正面と側面からの2方向から回し挽きをします。
  
2
 一気に完成してしまったので、途中経過を撮影しそこねました。

 制作過程は N07 を参考にしてください

 お顔はこけしのように造り、描き込んでありますが
 
 口は若干の凹面を丸刀で作ってあります。

 袴には、水彩絵の具を用いて着色しました。
 
 写真画面ではすこし派手な色合いになって見えています。
 

No.8 慈母観音 作成日記 05年 4月24日
久々の仏像彫刻です。    
  仏画で既にUPしてあるオリジナル慈母観音を制作したいと思い、
  鑿を手にしました。
  緊張しながらほぼ半年ぶりの新作制作になります。
  
  有能な仏師の皆様方が口をそろえて
   「木の中においでになるみほとけを、お迎えするだけ・・・」とおっしゃいま
  す。 しかし私にはその言葉は当てはまりません。
  もし、木の中においでになるみほとけをお迎えするだけならば、
  こんなに悩みもしないし、苦しみもしません。
  それに第一、もっともっと荘厳な、汚れのないお姿が現れ出るはずです。
  私には、我欲の表れのようなみほとけしかできないのです。
  やはり私の場合は、「心で造り参らせる・・・」ようなレベルにはとうてい達して
  いません。残念ながら修行が足りません。
  恐れおののきながらの創作作業です。近頃、特にそのことを感じています。

  輪郭を大まかにのこぎりで切り取り、落とした所です。
  お顔をほんの少し子どもの方に傾けているポーズを予定していますが、
  お顔を傾けると、みほとけの荘厳さが出しにくくなるので、
  現段階では、正面を向けた状態で進めてゆき、暫く様子を見ながら傾けるか
  どうか判断するつもりです。  
慈母観音 2                           
  やはりいまいち調子が出ません。
  大掴みに子どもと腕を浮き上がらせたところです。
  斜め方向からも大きく取ってあります。

  お顔の向きは現在正面向きの方向で考えますが、
  それさえ確定ていないようでは、先がしれますね。
  
  今回は電動彫刻機も大いに用いて粗彫りをするつもりです。
  精神的に萎縮していますので、
  電動工具を使うことで、作品のスケールが小さくならないようにと
  考えました。
慈母観音
3                          
  頭の部分や天衣などを大まかに彫りだしています。
  
  お顔は大きめに彫りだし、全体のバランスや方向性などを慎重に確認しな
  がら、徐々に彫り縮めてゆきます。
  しかしあくまでも基準となるところは、髪の毛の生え際です。
  
  この時点で上げ手の指や子供などを、決して安易に作ってしまわないこと。
  とりわけ手や子供の胸に面する、部分を彫りを進めすぎないように気を
  つけます。
  
  腕なども角度や方向性、太さなどを確認しながら慎重に彫り進めたいもので
  す。

  久しぶりに彫刻刀を2時間ほど持ちました。野暮用が多すぎます!!
  これでは仏師などとは言えませんね。
4                          
  頭部・手・子供などを中心に彫り進めています。
  
  図面段階で生じていたひずみに気がつき、少し手直しました

  子供と観音様大きさのバランスは、私なりの解釈で表現しています。
  人間の親子のバランスではいけません。
  
  まだ上げ手が大きすぎるようです。

  慈母観音はそのテーマからしてやや女性的なイメージに表現することがあり
  ます。 しかし「菩薩」は本来「性」を越えた存在ですから、
  私の場合は過度に官能的な表現にならぬよう注意して制作します。
5                          
  ほぼ全体のイメージが確定しました。
  
  お顔はやはり正面を向けることにいたしました。
  子供の手が彫刻中に折れてしまいましたが、
  しかし胸の部分を仕上げるためにはこのアクシデントは幸いしました。
  同じ理由で、腕も腕釧の部分から切り離し、再度ダボで接続してあります。
  まだこの段階でも若干上げての方が大きく見えますので、
  各方面のバランスを整える最終的調整が必要です。
  
  展覧会にはこの段階で未完成作品として出品しました。
 
           完成像は こちら(仏像彫刻のページ)
    
No.7 南無仏太子 作成日記 04年11月10日
聖徳太子2歳像 「南無仏太子」を制作します。
  上半身裸で袴をつけ、合掌した姿ですが、高貴で真摯なイメージが出せるよ
  う心がけて造りたいと思います。

  電動工具は非常に便利。
  私は最近、帯鋸を使って2方向からの回し挽きをすることが多くなりました。
  回し挽きの関係と、材料費の関係で、後ろの袴の裾は接ぎ合わせにします。
  
  
南無太子 2 袴の裾の部分は目を合わせながら、接ぎ合わせてありますので、
   木口が多くなりますが、頑張って削ります。
   腕や袴の前の部分を斜め方向から強く取り、 およその形を作り出します。
   特に腕の部分の取りは強くしないと、あとで脇があいてしまいます。 
   頭部は当面、地蔵仏頭の容量で彫りすすめます。
   耳は福耳にしますが、仏の場合ほど長くしたり穴をあけたりはません。  

   どのような像を造る場合もそうですが、脇の下の位置をしっかり確認しなが
   ら、ふくれてしまわないように注意します。

  袴のたっぷりした感じを出しながらも体をしっかり感じるように注意します。
  
南無仏太子 3全体的に均一に彫り進めます。
 上半身は裸ですから簡単のように思えますが、簡単なるが故に早く仕上がり、
 太めになって、動かなくなってしまいがち。
 なんと言っても脇の下をポイントにしながら、腕や胸背中に肉が付きすぎない
 ようにしっかり取ります。
 背中をあまりまっすぐにしすぎないこと。
 身長計で背丈を測る時のようにまっすぐ伸びるとぎこちないポーズになります。
 むしろ幼児はおなかをつきだし背中が後ろに大きく反っているポーズを、風呂
 上がりなどの可愛い姿として皆さん思い起こされることでしょう。
 胃の前の合掌した腕の空間は早くあけすぎると、腕のポーズが仰々しくなって
 しまいます。まだ脇腹と腕も切り離していません。
  
 袴の襞の入れ方は様々ですが、思い切って深めの襞を入れ抑揚をつけてみた
 いと思います。
 
 お顔の表情は文字通り、2歳のイメージにすべきかもしれませんが、
 ここではいわゆる「童顔」にする程度にとどめようと思っています。
 作者が「童顔にしたい!」と思うだけで、理屈抜きに徐々に
 童顔になってゆくから不思議です。思わなければ童顔にはなりません。
ほぼ全体的なイメージができあがりました。
 しかし上半身、とりわけ腕はまだまだ太め。
 腕は脇腹や腹部からこの段階で漸く分離しましたので、
 全体の調子を見ながらゆっくり無駄な肉を落としてゆくつもりです。
 
 袴の襞を強く入れはじめました。
 もう少しメリハリをつけてゆきたいと思います
 

   完成像は こちら(仏像彫刻のページ)

No.6 リトルブッダ 作成日記 04年10月17日
リトルブッダ 展覧会で、小さな小さなオリジナル作品の「リトルブッダ」を発表した
  ところ、彫刻教室の会員さんから、一斉講習をして欲しいという依頼
  がありましたので、お顔を彫り出さずに描くタイプのほのぼのシリーズ
  の一環として講習をしています。簡単ですから、誰でもできますよ。
    ※希望者には切り込み材料、図面と写真をおわけ致します。
      メールで問い合わせてください。 

  左は材料に図面を転写し、糸鋸(帯鋸)で輪郭を切り抜いた段階です。 
  右は横の方向から、胸の前の部分、後ろ首や肉髻の前後等を
  削り取った写真です。
リトルブッダ 2 斜め方向(4方向)から強く取ります。
  前・左右斜め方向 = 手首から肘にかけて、腕の部分は強く取り、
                膝頭はごくわずかしか取らないようにします。
  後・左右斜め方向 = 腰から太股にかけて強く取ります。

  前も後ろも左右対称になるように削り取ります。
  上から見たら、膝が飛び出しているように見えます。
  
  顔の部分は彫り出しにせず描き込みますから、平らにしたままの状態。
リトルブッダ 3 腕や衣紋等の大まかなデッサンをしながら彫り進めます。
  胸や脇の下などのポイントも十分意識しながらすすめましょう。

  しかしこの段階で性急に胴体と右腕とを分離しようとしないこと。

  ※お顔を彫り出しにする場合は、この時点で若干鼻の部分を中高に
   残しておきます。
  
リトルブッダ 4 腕を徐々に彫り進め、胴体と分離しますが、分離を急ぐあまりにドリルなどで
  穴を無理にあけないこと。
  衣の襞をあっさりと薬研彫り(V字形の溝)で表現します。

  お顔は極めてあっさりと卵形に彫り、あとで絵の具で目や眉、口などを
  好みの位置に描きます。
   
  ガラス製の白毫を額に埋め込んで完成です。
  入手できない場合は、白の絵の具で描き込んでも良い。


No.5 「阿難尊者」 作成日記 04年5月29日
阿難尊者

 釈迦十大弟子の一人、阿難尊者の制作日記の開始です。

仏弟子や祖師などの場合は一般の仏像彫刻と多少趣を異にしています。
私の苦手とする肖像彫刻の要素も大いに取り入れて作らねばならないからです
本格的な彫塑をしっかり学んだ経験の無い私にとって、技術的不安を大いに抱えながらのUP作業になりますので、みなさまにとってまったく参考にはならないでしょうが、どうかご笑覧下さい。

お顔をほんの少し左(向かって右)に向け、合掌した姿をイメージしています。足には靴を履かすつもりです。
大きさは約2尺。 材料は桂材です。


まだこの段階では体の各部分の大づかみな“あたり”をつけただけの段階です。



阿難尊者                             04年6月5日

 上半身を中心に少し彫り進めた段階のUPです。

釈尊の説法を聞くことの出来た者はもとより、釈迦の後ろ姿を見た者まで、あまりの気高さにたちどころに無上の悟りを開いたとさえ言われています
釈迦の従兄弟でもあった阿難は、出家の後、釈迦にぴったり寄り添って身辺のお世話をしながら、常に説法を聞く多聞第一の幸せな立場。
さりながら、皮肉なことに釈迦の入滅後もなかなか悟りが開けず一人苦しむことになります。
そんな「人間阿難」の姿の中に、私は現代人的な苦悩をかいま見るのです。
そこをテーマに彫ってみようと決心したのはすでに1年以上も前です。
しかし、高まった思いに反していざ彫刻刀を握ってみるとなかなか彫り進めることが出来ません。
この作品はすっかり停滞しています。
仏像彫刻をかなり甘く見ていたのかもしれない、という反省がしきりに巻き起こるのです。

阿難尊者 3                           04年6月17日

 やはり上半身を中心に少し彫り進めました。

青年阿難をイメージしていますが、彫っているうちに考えが変わるかもしれません。


どうしても頭部にこだわり過ぎてしまいます。
未熟な証拠。

かなり彫り進めたつもりでも、まだまだ腕も太いです。

靴も大きいです。
(やはり、裸足にしようかな?と今でも多少迷っています)

衣・袈裟がいっこうに進まず、ほったらかしになっています。
阿難尊者                            04年7月1日

 上半身のイメージが確定しかけています。

衣の方の彫刻作業も徐々に進み始めました。
苦悩の作業です。
阿難尊者 5                          04年8月28日

 ほぼ完成しました。

美術館の蛍光灯の元で撮影しましたので、単純光線のせいか、お顔が少し丸く太って写りました。実際はもう少しやせ加減に思います。

お顔と眼球を、ほんの少し向かって右方向に向けてみました。

未熟な技術で精一杯の彫刻でした。
どなたか先輩仏師の阿難像があれば、勉強のために拝見したい思いで一杯です。
京都の大報恩寺にも阿難像がありますが、あまりに人間味が薄くて・・・。私は好きになれません。

釈尊に供養するための清水を入れた水瓶をあしらいました。


      完成像は ちら(仏像彫刻のページ)
    

No.4 「白檀 阿弥陀如来」 作成日記 03年11月23日
白檀 阿弥陀如来


 7寸の白檀の阿弥陀如来像。東本願寺のタイプの阿弥陀さんです。仏壇に入れることを念頭に置いていますので、小作品ですががんばって作りたいと思います。
この作品は注文を受けたものではないので、永くほったらかしては少し進む、といったことを繰り返す状態でした。
 折しも数名の会員さんが、白檀で阿弥陀さんを作ることになったので、見本をかねてまた私も再開しました。

 実は、木取りをしたときには全く分からなかったのですが、彫り進むうちになんと、お顔の部分に黒く大きな腐れ部分が出てしまいました。
制作を中止しようかとも思いましたが、これらも全て「ご縁」と思い、意を取り直して頬から前の部分を別材ではぎ併せて有ります。
のどの右部分と背中などにまだ黒い傷が残っていますが、後日、色あわせをして隠してしまうつもりです。

粗彫りの段階ですから、まだ全体的にぼってりした感じです。
一応衣のひだをマジックペンで描き込んでみました。白檀は、他の木と比べるとインクの吸い込みも少ないので、粗彫りの段階では安心です。







白檀 阿弥陀如来                  03年 11月29日

 体全体を少し引き締めて、大まかな衣紋の彫りに入りました。
本来はもっと徹底的に引き締めてから、衣紋の彫りに入れば効率がいいのでしょうが、私はいつもこのあたりから様子を見て、衣紋と引き締めを同時に繰り返しながら、進めることにしています。
 頭と首はまだこの後も大いに引き締める予定です。

 阿弥陀如来の美しさのポイントはいくつかあると思われますが、流れるような衣紋もその一つ。衣紋の入れ方で全くイメージが異なってしまうから不思議です。
 
 のどの右部分と背中などの黒い傷は依然として残っていますが、無視して彫り進めています

 かって掲示板で書いた、「途中で売ってほしいと頼まれました像」は、この作品です。もちろん断りました。断った理由はいろいろありますけれど・・・・ね(笑)

 白檀材は堅くて小刀が滑りやすいので、うっかり油断するとけがをしますから、注意が必要です。しかしいくら堅木ではあっても慣れると意外に彫りやすい材料ですから、思い切って一度挑戦してみる価値は十分あります。みなさん是非どうぞ!
白檀 阿弥陀如来
                 03年 12月12日


 全体のバランスを見ながら彫り進める必要があるのに、どうしてもお顔の部分だけに作業が集中する傾向が否めません。このたびも、ついつい没頭してしまいました(笑)。螺髪の間取りも大まかにチェックしました。衣紋は腹部から仕上げ始めました。

 手は全体が仕上がってから取りかかります。

 台座と光背はシンプルな東本願寺形式をイメージしています。

白檀 7寸阿弥陀如来 完成
4 完成
                   04年 3月18日

頭部は螺髪(らほつ)を彫り出し、白毫と肉髻珠(にっけいしゅ)を取り付けています。手の取り付けは角度や手のひらの向きに十分注意します。光背と台座を取り付けて完成です。
 右側の首の部分のシミは、軽く絵の具でぼかしてあります。

 光背の48本の針は阿弥陀如来の48願を表現しています。光背の支柱には3枚の菖蒲の葉がゆるやな螺旋状に巻き付き、蓮華の葉2枚とつぼみが取り付けられています。
 台座の蓮華部分は9枚5段、45枚の蓮弁を貼り付けた、いわゆる「葺き連弁」。

 最初に書いた通り、木取りの段階では全くわからなかった黒い傷が顔の真ん中にでてきたため、彫りを中止しようかと思いましたが、無事完成することが出来ましたので、ほっと一安心。


No.3 浄覚寺(オリジナル?)灯篭 作成日記 03年07月25日
浄覚寺(オリジナル?)灯篭
 かわりものの住職は、自己顕示欲の塊。何とか世の中に2つとないないオリジナルの灯篭が欲しいと念願。
今までに自作・オリジナル図面による2基の灯篭を発注しました。
 その第一作は韓国の「仏国寺」形の図面を描き発注しましたが、すっきりとした直線的なラインに仕上がり、大成功・大満足。
 気を良くした住職は第2作目として「浄瑠璃寺」形をモデルに・・・作図。ところが業者が私の図面を大きく読み違えてしまい。全くイメージの異なるものになりました。曲線のイメージも全く図面と異なり涙涙・・・。言葉がありません。

 そして、第三弾がこの春日灯篭。
 春日灯篭に付き物の@鹿A山B雲の内、@鹿A山の2つは私の個人的な趣味として嫌なのです。造形的に鹿の彫りがあまり好きにはなれません。また、山は無骨過ぎる・・・・。それらの組み合わせがあまり好きでないのですが、春日灯篭自体の全体的な形は好きなのです。
 そこで、@鹿A山の2つを削除して発注したものが、写真の灯篭です。 白い平らな面は、私の創作意欲を大いにそそります。
  果たして今後どうなることやら・・・・。
 
    ◇大きさ約300cm=10尺
 
浄覚寺灯篭 にわか石屋の作品・・・何とか完成      03年 7月28日
  浄覚寺灯篭
 
 春日灯篭に付き物の@鹿A山の2つをカットして、それらの本来あるべき位地に、上の写真のような仏の線彫りをごく簡単に刻みました。あっさりとした「浄覚寺灯篭」の完成です。小型コンプレッサーを使ったので2面を仕上げるだけでも6時間をついやしましたが、お陰でじっくりと取り組めました。機材を快く貸してくださった皆さんに感謝感謝!  本当に楽しかったです。 
 近日中に、私の寺の3基のオリジナル灯篭を浄覚寺のページにUPしたいと思います。ご笑覧下さい。    
石材彫刻器 石材彫刻器                     03年 8月03日
  知り合いの石屋さんから借りた石材用の彫刻機。
ゴムホースをエアーコンプレッサーに接続して、先端の鏨部分で石材を打撃します。コンクリート削岩機の小型版のような機能を持った機械です。石のかけらが飛び散るので、目を保護するための眼鏡は必需品。鏨の先端を時々研いでは石を削ります。
 この灯篭を見て「自分の家の灯篭にも家紋を彫って貰いたい!」などリクエストをされましたが、「石は石屋にまかせた方がいいですよ・・・。」と丁重にお断りしました。(笑) 


No.2 「親鸞聖人」 作成日記 03年01月07日
親鸞1
 西本願寺所蔵の「鏡の御影」を参考にしながら正面図を描きました。濃い眉毛がピンと跳ね上がり、頬骨が突き出て目は狐目ながらも、りんと人間存在そのものを見据えるお顔、これが親鸞聖人の特徴です。
 向かって右肩を少し上げて、左右のバランスをあえて崩し、動きを出しています。常に我々の胸に生き方を呼びかけてくれるような、姿にしたいと思いました。
  鉛筆デッサンによる図面の描き起こし作業は私にとっては非常に重要な意味を持っています。正面はもとより側面など丁寧にイメージデッサンすることにより、造像イメージも確定するからです。
  (※右の図は、HP用に簡略化したものをUPしています)
 このデッサン図面を基に、拡大して木取りをしていきます。

この度は大、小二つの像を同時制作することに致しました。
 ◇大=楠材 寄木造り 大きさ約60cm
 ◇小=桧材 一木造り 大きさ約30cm

 とりあえず、このページでは小像の制作過程を取り上げたいと思います。大きな像に尽きましては、今年の八月末の「第22回 祥琳新潟仏像美術展」に出品予定です。

参考までに前作を・・・
親鸞聖人座像(この像では、親鸞聖人のトレードマークの眉毛を、大胆に柔らかい眉に置き換えて表現しています。)
親鸞2      03年 1月13日
 @仏像の場合、脚の裏から髪の毛の生え際までを10等分して制作しますが、今回は変則的に頭頂までを9等分しました。正面と側面図をカーボン紙を用いて材料に転写します。
 A正面方向から帯鋸で1分(3ミリ)程度のゆとりを残しながら輪郭を切り抜きます。このときにゆとりを多く残しすぎたり、ぎりぎりになりすぎないように注意しましょう。切り抜いた部分の材料を、ボンドでチョン付けをして、もとの四角の状態に戻します。(※写真はこの状態)
 Bボンドが乾いてから、横方向からも帯鋸でゆとりを残しながら回し挽きをします。

 帯鋸は刃が帯状になっている電動鋸で非常に正確に材料を切り抜くことが出来、工期を短縮できますので、私はよく用います。工務店などにはありますから、挽いてもらうと便利です。
親鸞3      03年 1月15日
 表面と側面の二方向から帯鋸で「回し挽き」をしたところです。各面にポイントとなる部分のデッサンを描き加えておきます。

 写真は、頭部から肩に掛けて徐々に角を丸め始める作業に取り始めたところを撮したものです。どうしても斜め45度の方向からの削り取りが不足がちになりますので、思い切って強く彫り進めましょう。
親鸞4      03年 3月16日
 斜め方向から強く取り、粗彫りが終わったところです。まだ頭部も大きく、全体的に体も太いですが、徐々に各部のバランスを整えて行きます。
注意点は腕の部分が胸から離れないように(湾曲しないように)することです。胸も膨らみすぎぬように強く取ります。胸よりむしろ背中に丸みを出します。
また、袖の部分が重くならないように、斜め後方からしっかり取ります。

数珠は後で別に作って(ビーズを用いて作る)手に持たせます。
 
親鸞5      03年 3月27日
 中仕上が完了したあたりです。頭部と手がかなり仕上がり初めていますが、まだ若干大きめです。
お顔は親鸞聖人独特の狐目と跳ね上がった眉のきついイメージが出るように微調整します。今回一番決定的だったのは、口の表情でした。耳はまだ全く出来ていません。
手は数珠を持たせられるように注意しながら彫りだし、向かって左手(親鸞の右手)の人差し指をあえて割り取り数珠の穴をしっかり開けてから再度ボンドで接着してあります。
墨染めの衣はまだ遅れ気味の状態です。たっぷりとした表現にして、体にまとわり付かないようにします。しかし衣の中の体はしっかり感じ取れるように、これから仕上げてゆきます。
親鸞6
     03年 5月2日
 「鏡の御影」をイメージした「親鸞聖人立像」雛形の完成です。
頭部の目と眉と唇には若干の彩色を施して、手には数珠を持たせてあります。
首に巻いた裹頭(かとう=首に巻いたマフラーのような布)は今回は着色しませんでした。

東京・上野の美術館で西本願寺展を開催していましたが、残念なことに、今回のモデルの「鏡の御影」はどういうわけか拝観終了となっており、拝むことが出来ませんでした。

生涯、自分自身の煩悩と直面した生き様の中から、真実の教えを選び取って貫き通した、人間親鸞を表現したかったのです。
しかし今の私には荷が重すぎるテーマとなってしまったようです。本像を造る自信がぐらついていますが・・・・。


No.1 「文殊菩薩立像」 作成日記 02年08月27日
文殊菩薩1
 釈迦三尊制作の依頼を受け、中心仏の釈迦如来(一尺五寸仏)は完成しております。引き続き両脇侍の文殊菩薩と普賢菩薩に取りかかっております。ここで紹介するのは文殊菩薩(一尺仏)です。

 文殊菩薩は右手に剣を持ち、獅子に乗った座像の形でよく表されますが、ここでは獅子座を省略して、すっきりとした立像に致しました。三尊形式ですから、対になる文殊菩薩と腰の振り方が逆方向の左に振ってあり、普段見慣れた右方向に振る形の菩薩像とは異なっているので紹介しました。

 この像は三尊とも金箔仕上げを予定しています。漆を何度も塗り重ね、そこに純金の箔を貼りますので、微細な表現よりも全体的な像の持つ優美なシルエットが最も大切な表現ポイントとなってきます。簡素化された像にこそ仏師の本当の技量が問われてくるので緊張して造っています。

 写真は粗ごなしが終わり、天衣の襞や宝冠やお顔などの細部に取りかかる直前の状態です。今後塗りの作業の都合で、左右の腕から垂れ下がっている天衣を切り離して仕上げることになります。
     02年09月01日
 台座については、シンプルな古代型を予定しています。蓮華は白蓮華に截金処理。光背は珠光背、純金粉処理。手には宝剣を持ちます。図面を描くときにはふつうの観音タイプの菩薩を左右逆転して用いますが、そのままだと条帛が逆になりますので注意が必要です。あとはふつうの観音様とほぼ同じ彫りになります。
     02年09月10日  
 参考作品として普賢菩薩とともに「新潟美術展長岡展」に現在出品中。

全体的に彫り進めています。両腕から下がる天衣は、すでに切り離し作業を完了し、現在は釘で仮付けをしてあります。次には、遅れている宝髻(結い上げた髪の毛)と宝冠の部分、胸飾り(瓔珞)などを造ります。
 耳には丸いイアリングをつけました。右手に持つ利剣は別木でこれから作ります。
文殊菩薩2
     02年09月11日
 漆を塗って金箔仕上げにする場合には、ペンなどの書き込みや、日焼け、あるいは、汚れなどがあっても全く平気ですからその点は非常に作業が楽になります。しかし、この文殊菩薩の場合は、展覧会に参考作品として、制作途中経過を見ていただく都合上、ある程度きれいに仕上げています。まだ台座に固定するための、いわゆる「下駄」を足にはかせていませんから、展覧会には両面テープで台座に固定し、倒れないようにして展示してあります。
 文殊の智慧といわれるように、聡明な感じがでるようこの段階あたりから注意して彫り進めたいと思います。
文殊菩薩3      02年10月19日 
 あとは髪の毛の毛筋と瓔珞(ようらく)、臂釧(ひせん)を残すのみとなりました。未完成のこの段階で展覧会に出品しました。

 本体が完成したら、足に下駄を履かせて、台座にセットできるようにすれば、彫りは完了です。

 この後は、漆箔仕上げをすることになります。
文殊菩薩4      02年12月26日
 瓔珞や臂釧も作り、微調整をして彫りはやっと完成しました。
対になる「普賢菩薩」も一緒に完成しています。
現在、漆箔作業に回しています。1尺仏という小像の漆箔は私も初めての経験、おそらくイメージがかなり変わって仕上がってくると思います。腕の良い職人に掛かると、作品が見違える程グレードアップしてかえってきますので今から非常に楽しみにしています。
完成したら、平成15年の「22回新潟美術展」に展示する予定になっています。

 


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